下毛野国横断紀行


<2024/2/7>

 いろいろあって、体調不良で長期引きこもっていたのだが、なんとか持ち直してきたのと、リハビリかねて日帰りで近所にお出かけしてきた次第
 6時起床で出立

 朝焼けの高尾電留線に待機するE233。5日から6日にかけて降った雪がまだまだ残っているので撮影。今日も天気は良さそうだ

  高尾→八王子:E233(車番不) 6:26発 646T 快速「東京」

 
 東京の西側ではすでに通勤ラッシュに入りつつあるので、都心に向かうには特急列車一択。通勤特急の「はちおうじ4号」をチョイス。いつも通り

  八王子→東京:サロE353-1 6:48 5204M 特急はちおうじ4「東京」 9号車4D グリーン車指定席


 直前に思い立って手配したので、窓側はグリーンしか空いていなかった
<八王子~豊田>

 もう少しで日ノ出。今日は快晴になりそうだし、浅川に積もった雪も溶けちゃうかな?
<東京>
 安楽に東京駅に到着

 乗車する新幹線が入線してきた。那須塩原6時48分発のなすの260号だ。折り返し、やまびこ・つばさ127号になる。E2+E3のなすのは上下2本ずつしか運行されていないのでレアか?もう一本の上りは10分ほど後に到着する、なすの262号だ
 
 あわよくば200系リバイバルカラー編成が来ないかな?なんて思ったがそう上手くは行かないようだ。白と緑帯で塗られたJ66編成は来る3月15日で引退と言うアナウンスがされている
 
 併結相手のE3系も通常カラーだ。こちらも銀色のリバイバルカラー編成が1本存在しているが、今日は当たらなかったか

  東京→宇都宮:E224-1125 8:08発 127B やまびこ・つばさ127「仙台・山形」 10号車12E 普通車指定席

 今日の編成はJ75、2010年に製造された最終増備編成だ。一番新しいE2系なので、一番最後まで残るグループだろうな。長野新幹線開業で準備された0番台は既に全廃されており、東北新幹線八戸延伸で準備された1000番台も大半が消え、現在は14編成が残るのみとなった。上越方面での運用は終わり、北陸も撤退、やまびこ運用にもE5が大量に投入されているので、東北新幹線でも乗れる機会いが激減している
 仙台へ行く人は20分後のはやぶさ7号に乗れば20分早く到着するので需要は無いだろうけど、郡山、福島辺りへは最速列車なので乗車率は良いね。指定席窓側はほぼ埋まっているし、通路側も埋まっている。今のところ隣は居ないけど、上野、大宮で乗ってくるだろ・・・・・・
<大宮~小山>

 関東の北限目指して加速してゆく。畑(田んぼ?)も真っ白だともう東北まで来たような気がする
<宇都宮>

 宇都宮に到着。結構降りるね。9時ジャストなので通勤通学にちょうど良いんだな。宇都宮からも結構乗るみたいだし

 常磐系統の交直両用E531が直流区間の宇都宮にいるの違和感あるな・・・・・・黒磯以北用の車両なんだろうけど
 さて、足早に東口に向かっているのは、今日の主目的である、新開業の路面電車、宇都宮ライトレールに乗る為なんだけど・・・・・・すでに陸橋上から見ると電停に凄い人が居る・・・・・・
 開業前、昨年の2月に周囲の状況は実踏しているので塩梅は解るのだが、降りる階段まで人だらけだ。電停の様子を写真に撮るのも難しい。折り返しの電車が着いたばかりで、これからこの溢れかえる人を車内に収容したら発車のようだ・・・・・・

 無茶苦茶混んでるが、もう取り敢えず乗ってみたよ。どうせ行って帰って来るんだから、東口電停の様子は後で記録しよう

〇 宇都宮駅東口→芳賀・高根沢工業団地:HU302B 8:55(9:04)発 普通「芳賀・高根沢工業団地」

 多分、8時55分発の電車だな。新幹線の宇都宮到着は9時丁度なので、遅れているので乗れた。架線凍結の為、9分遅れて運転中とのこと
 郊外とJRの拠点駅とを結ぶ路線と言うのは基本的に朝のラッシュはJR駅へ向かう列車が混む、と言うのが定石なのだがここは逆なんだな。終点方面に工業団地や商業施設があるわけだから。それでこれだけ乗っているのだから敷設は正解だったのではなかろうか
 宇都宮LRTが最初に議題として出てきたのは1987年、昭和62年の事だが、実際に交通インフラとして整備の検討が始まったのは、「新交通システム構想」が持ち上がった1993年の事になる。ここが、宇都宮LRT事業の直接的な起点として良いだろう。構想の名前からして、当時はまだ「路面電車」ではなく様々な交通形態を考えていたことが伺えるが、最終的にLRTとして建設が決まったのは2001年になってのことだった
 宇都宮周辺は古くから車社会で、バス路線網も発達していたため、それの改編や場合によっては乗り換えを余儀なくされる。LRT建設に伴って既存道路の車線が減少し渋滞悪化や自動車交通の円滑な運営が妨げられるなどネガティブな意見、強い反発は終始付きまとったが、時代が進むにつれて周辺環境の変化、推進派市長の台頭などが実を結び、2015年には第三セクター方式の宇都宮ライトレール株式会社が設立され、事業として正式に整備が進むこととなった
 整備区間は宇都宮駅を中心に東側、西側とに分かれ、最終的には東西広い範囲を結ぶ路線計画がされたが、優先的にまずは東側を整備、その後西側の整備に移るとされた。東側には大規模な商業施設や、収入が見込める企業の工場などが多く立地していたことと、専用軌道、併用軌道ともに設置工事のし易さが作用した。反面、西側は非常に建て込んでおり駅前整備もすぐには難しい状況だった。また東西を一括で開業させるには、東北本線と東北新幹線を越えて東西連絡させる手段が確立しておらず、それを待っては開業時期を逸してしまうと懸念されていたのだった
 2018年には優先整備区間として東側の軌道敷設工事が着工された。2021年には車両基地への車両搬入を開始。2023年8月26日には晴れて、優先整備区間の宇都宮駅東口~芳賀高根沢工業団地間、14.6キロが開業するに至った。既存路線の延伸や改良を伴わない完全新規のライトレール路線の敷設は日本初、またそれまで路面電車の無かった都市への新規開業は1948年の富山地方鉄道伏木線開業以来と言うことになる。単純に、路面電車の新設について言えば、2020年3月の富山駅高架化に伴う南北接続事業での路線敷設以来と言うことなろうか
 車社会の中で、根強い反対意見も最後まであったので開業後もどうなることかと思ったが、開業以来想定の1.2倍の輸送人員を記録。開業当初の休日などはお試し乗車の客で大盛況であり、それは少なからず現在にも続いているようだ。平日は今日の様子を見てわかる通り、通勤通学客で大変混雑している状況。事業として、申し分ない結果となったと言えるだろう

 電車は道路の真ん中を静かに進んでゆく。最新の軌道なので揺れは少なく、電車の進行に応じて交通信号が切り替わってゆくのでスムーズに運転されている。後は、どこまでこの混雑が続いてゆくのか・・・・・・
<宇都宮大学陽東キャンパス>
 宇都宮駅東口から5つ目の電停で、目の前にベルモールと言う大型商業施設、そして電停名の由来となった大学キャンパスがあるので多数の乗降が見受けられそうな所だ。宇都宮ライトレールの特色として、周辺のバス路線も併せて整備し、乗り換え拠点「トランジットセンター」を沿線数か所に置くものがある。バスの駅前乗り入れを制限し、渋滞緩和を行うとともに、乗り換えをしても所要時間の定時性を確保するものと言った為だ。この電停にはそのトランジットセンターも併設されているのだが・・・・・・余り降りないね。なお、ここからは東北本線の岡本駅や真岡駅、益子駅方面へのバスに乗り換えができる
 この先は高架の専用軌道となり右へ大きく逆S字を描いて平石へ
<平石>
 2面4線で上下線にそれぞれ島式ホームがある。直ぐ南側に車庫があり、入出庫の為に一部の電車はここが始終点となる。純然たる路面電車の中間駅で2面4線の構造なんて他では見たことないな。今後は快速運転を行う予定があるそうなので、こうゆう所で緩急接続、退避追い越しなんかも出来るようにしているのかな?運転の中枢なだけで、周辺には何もない。ここで運転士さんが交代
 鬼怒川を立派な高架橋で渡り河岸段丘の上に登る。この先もしばらくは専用軌道のまま進むようだ
<清陵高校前>
 学校があるんだろうし、工場や倉庫も増えてきたので乗降を期待するが、ほぼ車内に動きなし。降車が0ではないが、降りた人数だけ乗ってくるような感じ。この辺りからは道路の端を走るサイドリザベーション区間となる。併用軌道との位置づけだが、電停付近以外はバラスト軌道で交差道路以外は舗装されていないので車が侵入する恐れは少ない
<清原地区市民センター前>
 清原工業団地の中心部。ここもトランジットセンターがあり、清原工業団地内各方面や、真岡鉄道市塙駅へのバスが出ている。以前に計画した時は真岡鉄道の市塙からここまでバスで来てライトレールに乗る予定だったが・・・・・・車内に動きは乏しいね
<グリーンスタジアム前>
 名前からして平日には需要の少なそうな電停であるが、ここも平石と同じように2面4線の構造。もっとも畑のど真ん中で制限なく建設できた平石と異なり、ここは道路のサイド、工場との間を走る区間なのでスペースが厳しく、交差点を挟んで上下線がオフセットされたように設置されている。朝や夕方ラッシュ時にはここを始終点とする電車もあるようだ
<ゆいの杜西>
 清原の工業団地地帯を抜けて、この周辺は新興住宅地となっている。線路は再び道路の中央を走るようになった
<芳賀町工業団地管理センター前>
 終点と同じ名前が電停に付き始めたし、人の動きはないからもう諦めた。ここもトランジットセンター併設で、ライトレールが出来るまでは芳賀バスセンターが設置されていたが、ライトレール開業後はこちらに機能移転されている。
<芳賀・高根沢工業団地>
 
 終点の芳賀・高根沢工業団地に到着。沿線で僅かな乗降はあったが、8割は宇都宮駅から乗り通したと思われる。全線通しの需要が非常に高いということが良く分かった。もっとも、鉄道事業としては極論、初乗り乗車数が多い方が採算的に好ましいので、ライトレールも短距離利用の増加が増えたほうがより安定が見込めるよね

 宇都宮駅方面を眺める。車社会と言っても、全然車走ってない。通勤時間帯を過ぎてしまえば広い通りも人通りは激減するんだな

 同じ電車で引き返す。始発駅で人がいない間に車内を撮影しておこう

 さっきは先頭車に乗ったので、帰りは中間車にしてみよう。通勤通学需要が主目的な路線なのに、全体的には車内はクロスシートが多い。うきはの様に一見さんの観光客には喜ばれるが、普段使いの沿線の住民の方々にはロングシートの方が乗降もし易いし、同じ乗車率なら車内空間に余裕が出来るのでこの辺は改良されるかもなぁ・・・・・・多摩都市モノレールがやはりクロスシート撤去してロングシート化されたしな。西側延伸で車両増備されるタイミングで車内デザインも変わるかも?ただ、他所の都市のLRV(超低床電車)も概してクロスシートが多いよな。財政的には厳しい事業者が多いから、メーカーの標準仕様で造るケースが多いのだろうけど、そうするとヨーロッパの標準にされるからクロスシートメインになるよね。このHU300形は新潟トランシス製の国産だけど、基本仕様はボンバルディアとかの外国製

  芳賀・高根沢工業団地→宇都宮駅東口:HU302C 9:52発 普通「宇都宮駅東口」


 一転して閑散とした車内で眺望を楽しみながら宇都宮へ戻る
<かしの森公園前~芳賀町工業団地管理センター前>

 行きに気になっていた急傾斜。丘の上から谷底まで駆け下りて、また同じレベルまで駆け上がる

 よくこんなところに軌道敷設したよ思うよ

 写真で見るとそうでも無いけど、肉眼だと「うわほんとに走るの?これ」みたいな急傾斜だから。勿論信号とか途中に無いんだけど、満員の状態で勾配途中で停止した場合、再起動出来るのかな?
<芳賀町工業団地管理センター前>

 電停は凡そ統一されたデザインだろうか?
<ゆいの杜西~グリーンスタジアム前>

 専用軌道区間は路面電車らしからぬがっしりした重軌道。定尺レールながら太いレールだ。左右の道路は直角に交わる道路と地形の関係で勾配になっているが、ライトレールは築堤で高度の変化を少なくして対応している
<清陵高校前~飛山城跡>

 日当たりのよい田んぼは雪も随分薄くなった
<飛山城跡>

 飛山城は写真の奥、正面あたりにある。もっと目の前にあったら行ってみようかと思ったが、今日はこの後の行程に支障があるので見送る
<飛山城跡~平石中央小学校前>

 専用橋で鬼怒川を渡る
<平石>

 上下線から車庫線へ入れるので線路が輻輳している。車やほかの交通が侵入してこないエリアなのに、ここは舗装されている

 停留所部分はバラスト軌道だ

 芳賀方面が1・2番線。宇都宮駅方面が3・4番線
<平石~宇都宮大学陽東キャンパス>
 
 立派な高架線路を駆け上がる。後方は平石電停。これを降りると、駅前までの大通りの真ん中に出る
<峰>

 宇都宮は餃子の街。トントン
<宇都宮駅東口>
 まだダイヤの乱れはあるようで、「本日に限り2番線に到着します」とのことだ。行きに乗ったのとは違うホームに入った。隣のホームにも電車が停まっている

 1番線のHU300撮影してから、足早に出発が撮れる位置まで移動

 運良く両番線に電車が居るシーンが撮れるかと思ったが、架線柱やキュービクルの位置から綺麗に2編成は撮れないな・・・・・・もっと工夫が必要だが、あれこれ立ち位置を変えられる程時間は無かった

 てっきり最初に停まっていた1番線が先発か思ったら、乗って来た電車が回送になって先に発車した。この位置からは2番線出発の電車の方が良い角度で撮れるな

 シーサスクロスを渡って平石の車庫へ帰ってゆく回送電車

 通常なら1番線に入って、折り返しも営業運転だったのかな?

 ほどなく、1番線の電車も発車。やはり編成全体を入れるには角度が良くない。1番線発車がメインなんだろうから、線路の向こう側で撮らないと後ろまで入らない。駅前はお手軽撮影地だけど、時間や立ち位置、角度とか考えないとむしろ難しい撮影地かもしれない

 ここからなら1番線に出入りする電車をこの角度で撮影するのが綺麗かもね

 電車は上の写真と同じもの。デッキの上から撮影。電車停止位置の先からは車道に出てゆく
 駆け足だったけど、ライトレールの見たかったものは全部見れたな。満足!今度は西側が出来てからだな。まだまだ紆余曲折ありそうだけど、2026年には着工するそうだから

 時間が捻出できたので、軽食。駅ビル内の立ち食いソバ屋で月見かき揚げそばを食べて、在来線改札をくぐる

 高架下の薄暗い日光線ホームで到着待ち

 ダイヤが微妙に乱れているようで、どこ行きの何列車か判らないけど、EH500-33牽引のコンテナ列車

  宇都宮→日光:クハE130-681 11:22発 839M 普通「日光」

 小山方面からの遅れ列車接続待ちで2分延発予定とのことだが、東北本線ホームに列車が入ってきた形跡無く発車したぞ?
<宇都宮~鶴田>
 富士重工の壁画は全て真っ白に塗りつぶされているな


 東京よりは降るんだろうけど、こんなに雪景色の日光線初めて

<日光>
 
 日光に到着した839M。宇都宮は晴れていたが、山裾の日光は雪がちらついている

 2番線側に回って編成反対側を。宇都宮方はクモハE131-681
 臨時列車が以外はすべてがこの系列で運行される日光線。ラッシュ時は3両では微妙、2本連結の6両では過剰という中途半端な感じが否めない。2M1Tで製造コストと運用コストのバランスは良いのだろうけど、車内はオールロングで通勤通学輸送特化型。観光路線的側面もあるので、編成中のどこか1両もしくは各車両の部分的にでもクロスシートを設置できなかったのかなぁ
 さて、2番線側に来たのには理由がある。当初は即駅を出て沿線に向かおうかと思っていた。猶予時間は5~6分しかなく、地図を見てもあまり良い場所は無い。ならば、見通しの良いここで・・・・・・

 という、東武日光行SL大樹「ふたら」71号である。足回りはちょっと隠れちゃうけど、築堤の向こう側は見上げる形になるし、フラットなところに行くには時間が足りない

 見通しが良さそうなポイントがJR日光駅構内のホームからなのであった
 本日の本務機はC11 325号。2020年に真岡鉄道からやってきたカマだ。前回は北海道から来た207号機だったので今回は違うカマ

 手前が原っぱなので今日は雪原の中を行くみたいに見えて丁度良かったな♪東武日光への最後の勾配なのでゆっくり上る蒸機牽引列車はシャッターチャンスがたくさんあって楽しい。写真撮った後も見て楽しむ事もできる。満足♪

 大樹も撮れたことだし、1912年に竣工した2代目駅舎を撮影して東武日光駅へ行こう。あちこちに雪だるまが作ってあって楽しいね

 JR日光駅から東武日光駅に向かう緩い坂の途中にバス車庫がある。2017年に導入された日光軌道線タイプ中型バスが待機していた。ベースはエルガミオでSL大樹運転日に東照宮~東武日光駅~鬼怒川温泉駅間で運行される専用車だが、写真の幕にもあるようにJR日光駅~やしおの湯間でも使用されるようだ。方向幕が正面中央ならもっと「それ」っぽかったのにね

 元の「それ」は東武日光駅前に2020年3月から展示公開されている

 日光軌道線時代は100形109号
 1953年に10両が製造され、1968年の日光軌道線廃止時に10両全車が岡山電軌に譲渡され同社3000形となった
 この109号は岡山時代は3010号を名乗り2013年まで活躍した。岡山現役時代は装飾電車としていくつかの塗装がされていたが、引退前は日光軌道線時代の塗装にリバイバルされていた

 岡山時代の109(3010)号。2011年冬に撮影

 工場内に居たのでごちゃごちゃした写真しか撮れなかった。チェック柄塗装の頃
 
 こちら側の幕は終点、「馬返」になっている。馬返はその名の通り、道が急になり馬が登れず引き返した、という意味。急勾配ヘアピンカーブで有名な日光いろは坂の手前にあり、軌道線時代は馬返でケーブルカーに乗換え、明智平で更にロープウェイに乗り換えて奥日光を目指した。現在はロープウェイのみが存続し運行を続けている

 浅草発特急からの客待ち中の軌道線電車・・・・・・みたいな感じで
<東武日光>
 特にすることも無いので構内に入ろう

 出発まで時間あるので、1番線の普通電車からプチ撮影会を開始。南栗橋行24432。日光鬼怒川地区ローカルはほぼこれになったな。この編成はラッシュ対策の5つドア車が原形だが、もちろんドア5つも必要ないし、そんなにあったら隙間だらけで寒くてかなわないので2つは埋められている

 一番奥のホームには12時55分発の浅草行特急けごん28号が停車中。109F、ちょっと判り難いけど、昨年12月24日から栃木県誕生150周年を記念して塗り替えられた「いちごスペーシア」である。スペーシアは一時期いろんなカラーパターンがあったけど、帯のデザインなどは基本塗装と同じで配色を変えたものだけだった。今回のいちごカラーもベースは同じで、ホワイト部分がピンクになっただけ、それも薄いピンクなので今日みたいな曇天だと通常塗装と見分け付かないな

 東武日光の駅名標とスペーシア。新型が増備されて既に2本が廃車になっているし、こうゆうのも撮影しておかないと。しれっといちごステッカーも写っている

 このくらい濃いと判りやすいんだけどね

 標高は535m。雪もなかなか溶けない

 スペーシアから1本挟んでSL大樹が停まる。東武日光には転車台が無いので引っ張ってきたそのままで留置。下今市、鬼怒川方面へ運転するときはバックでぶら下がって走る

 先述した通り、今日は元真岡鉄道の325号機。1946年に日車で製造され、茅ヶ崎機関区に配置。20年ほど使用された後、1967年に米沢機関区に移動し、1972年に廃車となっている。左沢線のSLさよなら列車を牽引したのは本機である
 1973年には新潟県の水原小学校に静態保存するため一時的に新津機関区に転属している。1996年にはC12を運行していた真岡鉄道が予備機として使用するために引き上げ、1997年大宮工場へ入場、98年には整備が完了し車籍復活している
 真岡時代はC12の検査予備、重連運転用の他、JR東日本でのイベント運転用に貸し出されるなど広いエリアで運用が行われていたが、真岡鉄道自体の業績不良から売却が決まり、2019年に1億2千万で東武が購入し今に至っている

 蒸気機関車に東武のATS機器を積めないので、保安装置担当として必ず連結される車掌車ヨ8000の8634

 東武日光からは後補機だったDE10が先頭で走る。今日は前回同様北斗星カラーになった1109号機だ

 14系客車との連結部。どちらも東武に来てから塗り替えられているので、国鉄~JR時代ではこんなカラーで連結したことは無い

 DE10の次、3号車はスハフ14 5。SL大樹運転に先駆けJR四国より購入した14系客車のうちの1両。他にスハフ14 1、オハ14 1、オハフ15 1と0番台でもトップナンバー含む若番が東武で動態保存されることになった

 サボ

 2号車は展望車のオハテ12 1。これもJR四国から後に購入した12系客車改造の展望車。車体の4分の1ほどがオープンデッキに改造されている。元はオロ12 5と10で、当初は部品取り用として購入したが展望車に改造され中間に組み込まれて運行されることが多くなった
 12系は急行用、14系は特急用だが、基本的な構成が同じなので編成を組んでも大きな違和感はない。特に現在は茶色で統一されているので窓枠のデザインなどが目立たないので余計である

 展望車には方向幕が付いていないので車体真ん中にサボが射し込まれている

 動輪三つなのは牽引機が全部3軸のC11だからかな。D型機とかは導入する予定無いのだろうな

 1号車のスハフ14 501。寒冷地仕様の500番台でオハ14 505と共にJR北海道から移籍。寒冷地仕様の為、客用扉が折戸ではなく引き戸になっている

 後から車掌車とC11を。常に火が焚かれているので長時間の停車中も蒸機が漏れて続けている

 C11 325を真正面から。SL大樹が列車の名前なのに、サブネームのふたらの方が大きなヘッドマークを付けられて主張が激しい
 
 国鉄時代の酷使されていた時代と違って、ボディもヘッドマークも丁寧に磨かれていて綺麗。ナンバープレートが緑なのは先月末からバイオ燃料使用の実証試験を行っているため
 通常、蒸気機関車の燃料と言えば石炭だが、このご時世CO2を撒き散らして走るのは如何なものか?ということで、代替燃料として植物由来のバイオコークスを使用しCO2排出量を抑えようというもの。連結されるDE10もバイオディーゼル燃料混合軽油を使用する
 もっとも、バイオコークスのみでは走行時の必要カロリーを賄えないので、停車時間や運行時間外の保火に限ってバイオコークスを使用し、運行時は通常石炭を使用する。それでも40%のCO2削減効果があるそうだ
 使用されるバイオコークスは100%そば殻を原料として生成されたもので、将来的には日光地区のそばを使い地産地消を目指すとしている

 シリンダー前

 シリンダー後ろ。蒸気機関車が走行するため、熱エネルギーを運動エネルギーに変換する大事な部分

 大形蒸機と違って炭水車を連結しないタンク機は自車に炭庫と貯水槽を準備しなければならない。キャブ(運転台)から前に伸びる四角い部分が水槽

 複雑な構成の動輪回り。ピストンの前後運動をロッドやスライダーで回転運動に変えるわけだが、これを設計した人凄いよな

 キャブ側から前を。扉ついてないし、有火状態だから必ず掛員が乗ってんだな

 炭庫。C11は支線区の短距離運転や操車場内の入換任務が主だから搭載する石炭量も少なく、炭庫も小さい。設備が整っていない支線区で運行される際は転車台で向きを変えられるとは限らないのでバック運転でも支障ないよう設計されている。炭庫が切り欠かれて後方が望めるようになっているのはその為だ

 人気のないホームに停車するスハ14 501

 オハテ12 1の展望室部分。定員外スペースとなっており、乗客全てが利用できる

 簡易なベンチシートが見えるが、この時期ここに居座って外を眺めるのは厳しいな

 下今市方先頭のDE10 1109。ふたら運行時のみ連結される。下今市~鬼怒川温泉間、SL大樹のみの運行時は連結されない。こちらは「ふたら」のヘッドマークのみ掲出されている

 DE10とスペーシア

 JR北海道の旅客用DD51と同様のデザインの塗装されている

 区名札は所属の下今市機関区の「今」、仕業札入れにはちゃんと当日の仕業票が入っている。下今市から71号で東武日光、折り返し72号で下今市経由し、通常の5号のスジで鬼怒川温泉。最後は6号で下今市入庫という一日の流れ

 次の南栗橋行がやってきた。4両全車が最初から3ドアだ。日光方の24444

 南栗橋方の21444。使用するエリアで大混雑する区間なんてないのだから、ドア間転換クロスとかにすれば良かったのに。あと、機器の構成上仕方ないのだけど、2連で十分だったよね

  東武日光→鬼怒川温泉:スハフ14 5 13:02発 SL大樹ふたら72「鬼怒川温泉」 3号車10A 普通車指定席

 今年も無事にハイケンスを聞けた

 平日なので乗客は少ない。この手のイベント列車は集客が見込める土休日にしか運行されないことが多いが、本数の差はあれ東武は平日でも毎日運行しているから凄い。機関車はどうせ火を入れっぱなしだし寝かせておくより合理的なのかもしれないが
<東武日光~上今市>
 東武日光発車直後、真下に見えるJRの日光駅では日光線電車の運転士さんが大きく手を振っていてくれた。ここに会社の垣根は無い

 杉並木に沿って下ってゆく
<下今市>
 スイッチバックして鬼怒川線に入ってゆく。ここからはC11が本務機
<大桑~新高徳>

 鬼怒川の支流、小百川を越える

 右へぐっと曲がって、鬼怒川を本流を渡ると新高徳
<新高徳~小佐越>

 橋の上から鬼怒川を望めるポイントはあるが、沿線で並行して望めるポイントはこのあたりだけ
<鬼怒川温泉>

 のんびり走って鬼怒川温泉に到着

 3番線に入って折り返しまで小休止。客車は小休止だが、前後の機関車はそれぞれ逆側に連結し直すので、あわただしく入換が始まる

 2番線側からC11を撮影し、一旦駅の外に出よう
 
 自動販売機には温泉好きの鬼怒川みやびちゃん。鉄道むすめは見かける度に気になるが、もう離れてずいぶん経つからなぁ・・・・・・
 
 鬼怒川温泉駅舎と鬼怒太像。最近はここより奥に行かなくなったなぁ。会津に行きたい欲はあるが、それ以上に他に行くべきところが多くてな

 平日なのであまり人気のない鬼怒川温泉街

 一気に淘汰されて、野岩鉄道の2連2本だけになった6050系。鬼怒川温泉~会津高原尾瀬口間で運行されているが、日中はいつもここで昼寝しているな

 C11の入換が始まったので跨線橋の上から撮影。外が見えない高い壁があるので、大体この位置かな?ってところでファインダーもバックモニターも見ずに勘でシャッター切った写真。もう一呼吸後がベストタイミングだったな

 鬼怒川公園方に引き上げ、2番線を通過、下今市方から転車台に入線してくるC11。転車台手前で一旦停止

 転車台に乗ったC11とヨ8000。蒸機と車掌車は必ずセットなので、連結したまま転車台で向きを変える

 下今市方が先頭になった。これで客車につなげば組成完成だ。この間に、DE10も入換が済んでいるだろう

 お土産、お弁当買って構内へ。改札前の売店はお弁当ほぼ売り切れ、隣の喫茶店でも販売されているとのことで、そちらで何とかゲット

 新宿までこれで一気に帰る。クモハ252-1002
 思いのほか観光客は居て、先行するリバティはかなりの数が乗っていったが、新宿直通の列車は東武とJRの料金が加算されて割高なので客は少ない

 まだC11は連結されていないので、クリーンな状態でスハフ14 5を撮影しておこう。14系は特急用なのでトレインマークが掲出できる

 もちろん、マークはオリジナルの「大樹」だ
 
 日光高原牛 焼肉弁当を購入した。喫茶店のほうでも余り残ってなかったな

 弁当食べてたら連結作業が始まってた

  鬼怒川温泉→新宿:サハ253-1002 14:55発 1082M 特急きぬがわ2「新宿」 5号車3D 普通車指定席

<大谷向~下今市>

 大矢川を越えて下今市へ。大樹がSLなので速度を出さないってのはあるが、そもそも鬼怒川線は特急でものんびり走るんだ
<下小代~板荷>

 山から下りてきて、雪原が見れる所も減ってきそう
<新古賀~栗橋>

 利根川を渡る

 大きく左へカーブしながら築堤を下りるとまもなく栗橋に到着
<栗橋>
 東武もJRも直流1500Vだが、饋電は別々なので無電区間が設けられている。直直セクションで連絡線走行中に電源が落ちる
<蓮田~東大宮>

 夕暮れの東北本線を南下する。もうすぐ大宮だが、鄙びた風景が続いている

 遠くに小さな住宅地、まだらに雪化粧した田畑と小さな雑木林

 ここだけ見ていると、新潟県内冬場の信越本線を走っているようだ
<新宿>

 新宿に到着した、きぬがわ2号253系、クハ253-1002

  新宿→八王子:クハE352-11 17:30発 5143M 特急かいじ43「甲府」 12号車3D 普通車指定席

  八王子→高尾:クハ210-2 18:07発 447M 普通「松本」

 お隣、豊田始発の松本行中電。途中の甲斐大和で11分長時間停車があるだけで、あとはコンスタントに着発を繰り返して21時42分には松本に着く
 今日のアンカーは近郊型電車になったか

 最後に乗ったクハ210-2

 お土産。ホンマモンのレモン牛乳は暑い車内を長駆運ぶのに抵抗を覚えたので断念した

 宇都宮ライトレール開業で増えた関東の未乗線区も、これでまた筑波山登山電鉄のみとなった。あそこは時間的なコストが高くてなかなか行けない・・・・・・